CDLマガジン
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vol. 045
profile
堀田一希
ライター
コミュラボマガジン読者の方々初めまして!
今回初めて記事を書かせていただく、堀田一希です。
普段は三股町にある介護施設で勤務していて、施設では主に理学療法士として皆様も一度は聞いたことがある「リハビリ」や地域の方の「介護予防」などを主にさせていただいております。
公私共にお世話になっているコミュラボマガジン編集長より「記事を書いてみないですか?!」とお誘いをいただき今回新たにライターに入らせていただきました。
高齢者福祉の現場にいるものとして、日常で感じること、私自身がこれから三股町でしていきたいことなどを綴っていけたらなと思います。
―何歳になっても役割・居場所があるから体の能力は維持されるー
こんな話があります。
「平均寿命が今よりも低い時代も、80歳くらいまで生きている人は確かにいた。」
それはどんな人かと言うと大きな役割を持った人。
例えば長老さんとかです。
役割がある。必要とされている。
だから、それに合わせて体や心も維持されるんです。
認知症についても同じような話があります。
「認知症は、脳の進化」という説を唱えている人がいます。
役割が失われていくなどして、社会に必要とされていない感覚は、とても孤独で寂しいものですよね。
そういった寂しさやつらさを忘れ、生きていくために必要なものだけを残すように、脳が加齢に伴って省エネになっていく。
そんな説です。
あくまでも一つの説ですが、高齢者の方々と多く関わっている私は少し納得してしまう所がありました。
―何十年ぶりに筆を握るー
先日私が勤めているデイサービスであった嬉しいお話を少しだけ。
A様は加齢に伴い外出頻度が減りその結果、筋力が落ちてしまい転倒のリスクが高くなりデイサービスを利用開始となった方です。
施設のスタッフがA様と色々お話をしていく中でA様から「昔は書道教室の先生とかもやっていたんです。」とお話しがありました。
たまたま、私が勤めている施設では2ヶ月に1回程度外部講師をお招きして、利用者の方々と一緒に書道を行うという活動を行っていました。
これはチャンス。
担当スタッフと外部講師の先生が事前に打ち合わせを行い、先生側で参加していただくことになりました。
A様に伝えると、「もう何十年も筆は握ってないし、大丈夫かな。」 心配したご様子でしたが、ここはスタッフが少し強引に進めました。笑
いざ当日。
とても熱心に
楽しく
書道を楽しんでおられました。
活動後は、「次の活動までに、見本を家で書いてくるね。」
と次回に向けてやる気が溢れており、自宅での活動量が増えたり、運動等にも積極的になっていきました。
私が普段行っている「介護予防」は「運動」だけではなくて、「運動」+「居場所(役割)」なんだということを私自身強く感じた出来事でした。
そして、今回のこのA様の場合はたまたま、書道の活動があったために役割を担っていただくことができました。
「役割を生み出す」
これは、色々な地域の方々、地域の専門職の力が必要になってきます。
“人とのつながりが希薄な高齢者の方々を「地域のプレイヤー」に変える。
そんな視点をもってこれからどんどん動いていきたいと思います。