CDLマガジン
MAGAZINE
vol. 056
profile
コミュラボ
ライター
「あっ、樺山購買部へ行こう」
思わず口に出してしまいそうになる場所、樺山購買部。
この場所は、2022年10月7日に三股町に誕生した新スポットです。
優しい水色で彩られたレトロな店内には、三股町やお隣りの都城市から計8店舗の総菜や弁当がそろい、棚には文房具や本がずらりと並んでいます。
オープンしてから約3か月が経ちますが、すでに子どもから大人まで、常連さんができるほど人気の場所です。
この場所ができたのは、近くに徒歩で行ける商店がなく、閉じこもりになりがちな高齢者の方への買い物支援がきっかけ。
しかし、年齢や目的に関わらず、「あっ、樺山購買部へ行こう」と思えるような、いろんな人が出会うきっかけの場となっています。
店のテーマは、「令和レトロ」。
実は店舗は、築111年の空き家を7月から地域の人たちと一緒にリノベーションして、やっと完成したものなんです。
私(黒木)は、コミュラボスタッフになる前、まさにこれから改装が始まるぞ!という時に見学に来たのですが、その時はまだどんな空間になるのか全く想像がつきませんでした。
3ヶ月というスピードで完成した空間は、新しいのに懐かしいまさに令和レトロな空間。
そして、お惣菜の他には、文具コーナー「BUNGOO」や本コーナー「convey books」も。
「BUNGOO」では、使われなくなった文房具を「キフ」で集め、もう一度必要な誰かの手に届ける文房具リサイクルのしくみ。
使われなくなった文房具をリメイクして、低価格で販売しています。
商品は子どもたちでも購入しやすいように10円のものからあり、この日は小学生の女の子たちが小さなハサミなどを買いに来ていました。
小学生のとき、文房具を学校の購買部で買っていた懐かしい記憶が蘇ります。
女の子たちは、文房具の他にシフォンケーキも買って、可愛くレイアウトしていました。
スマホで映える写真を撮る彼女たちを見て、私が小学生の頃はそんな感覚なかったな…と時代の変化を痛感。
また、「convey books」は、あまり読まなくなったけど手放せない大切な本を樺山購買部の常設本棚に設置し、みんなでシェアする活動。本を通していろんな人がゆるくつながるしくみのひとつです。
この本たちのポップは、本を預けた人のオリジナルのもの。どんな気持ちでその本をこの場所に預けたのか、文字からも伝わってくるようです。
お惣菜を買いに来る人
文房具を買ったり、本を読みに来る人
宿題を済ませる子どもたち
商品を持ってくる作り手の人
地域のいろんな人が気軽に集まる場所の一つになっています。
この日の午後は、学校が終わった子どもたちが宿題をしに来たり、夕方前になるとシルバーカーを押した女性が「まだ何か残っちょる?」と言いながらお惣菜を買いに来たり。
お孫さんの活躍ぶりを話して聞かせてくれる男性と会話を交わしたり。
気づいたら小学生、30代、60代、70代と様々な世代の人がいる空間になっていました。
ただここに来て何かを買うだけでもいいし、あいさつを交わすだけでもいい。
そんなちょっとしたやりとりでほっと息抜きができる樺山購買部。ぜひ立ち寄ってみてください!
営業時間:月曜〜土曜(11:00〜18:30)
定休日:日曜、祝祭日
住所:三股町大字樺山2759