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vol. 144

【レポート】全国初!地域おこし遠隔隊説明会実施 in 明延

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コミュラボマガジンでは、三股町内での活動を主に取り上げていましたが、実はコミュラボは三股町だけにとどまらず、じわじわと三股町外に実践の場を広げています。
今回は、三股町を飛び出して、兵庫県養父市でのプロジェクトに参画!8月16日、そのプロジェクトのキックオフとなる「地域おこし遠隔隊」の募集を行いました。

鉱山の町に存在するたばこ屋を再生せよ!

今回のプロジェクトは、兵庫県養父市明延区、NPO法人但馬を結んで育つ会養父市社会福祉協議会と私たちコミュラボがタッグを組んで進めていくものもの。

△明延でのミーティングの様子

養父市は、兵庫県の北部、但馬地方に位置し、今回の舞台である明延区は、1300年の歴史をもつ国内有数の鉱山の町として有名です。昭和30年代の明延には、約4000人の人が住んでいましたが、昭和62年に閉山となって以降人口が減少し、今や全盛期の約100分の1である47人の限界集落となっています。

△現在も坑道跡の見学プログラムで、当時使われていた坑道を歩くことができる

一方で、明延には探検坑道や一円電車*など、鉱山の歴史を伝える観光資源が豊富にあり、外の地域からの来訪者は微増している状況も。そんな中で、あるメンバーから、こんな声が上がりました。

「すみません、全然関係ないのですが、Xで養父市の古い建物がちょっと話題になっていました」

そう。それが今回再生する旧「小林たばこ屋」さんです。

実は、このたばこ屋さん、SNSでたびたび話題になる近代建築的にも評価が高い建物で、この立体看板は、左官技術を駆使し立体的に造形された貴重なものなのです。聞けば、このたばこ屋さんは、明延住民にとって思い入れのある場所だとのこと。明延区の区長である小林さんの「この場所を何としても残して利活用していきたい」という想いを受け、走り始めました。

このプロジェクトのミッションは、このたばこ屋さんを「地域に住む人々同士の交流拠点」と「外の人との交流拠点」という2面的に再生させ、多面的で多様な人々が新たなつながりを生むプラットフォームとして創出することを目指しています。

*一円電車とは、明延で産出された鉱石を、選鉱所に運ぶことを目的とした電車。鉱石の運搬を行うと同時に、鉱山で働く人とその家族を料金1円で運んだことから「一円電車」と呼ばれるようになりました。

地域おこし遠隔隊とは?

ただ、この取り組みを実現させるには、私たちの力だけでは足りません。全国の多様な人たちのアイディアや知恵が必要です。そこで考えたのが、地域おこし協力隊ならぬ、「地域おこし遠隔隊」。隊員は、自分の生活拠点を移すことなく、基本的にはインターネットなどの通信手段を活用しながら遠隔で地域のプロジェクトに参画し、全国どこからでもスキルやサポートを提供することができる仕組みとなっています。

全国から14人が応募した遠隔隊の説明会

そして、8月16日(金)地域おこし遠隔隊オンライン説明会当日。20代〜60代まで、養父市に縁がある人だけでなく、兵庫県外からもさまざまな人が説明会に集まってくれました。

冒頭、明延区長であり、NPO法人一円電車あけのべの理事を務める小林さんは、地域やプロジェクトにかける想いを次のように話します。

△明延区長であり、NPO法人一円電車あけのべ理事を務める小林 史朗さん

小林さん「この地域は、もともと鉱山の町としてとても賑わっていた町ですが、閉山後は急速に人口減少し、崩壊寸前でした。そんな中で、町のシンボルだった一円電車を復活させるべく、18年ほど前から住民同士で活動し続けてきました。その中で、よく“明延っていいところだね”という声をもらうものの、地元に人がいない中、どうやって支援の輪を広げ続ければいいのだろうと考えていたんです。だから、このようにたくさんの人が集まって明延のことを考えてくれる時が来るなんて、想像もしていませんでした。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。明延という地名が消えずに今後も残していくために、なんとか明延の未来、養父市の未来に杭を打てたらなと思っています

△たばこ屋さんのカウンターの中の様子。当時から時が止まったままのよう。

そうはいっても、人も資金もまだまだやることが山積みのプロジェクト。建物は、たばこ屋さんだけでなく、その隣や奥にある家屋も含まれおり、かなり広い敷地。事務局メンバーで、こんなことやったら面白そうという構想はあるものの青写真の段階なのです。しかし、青写真しかないからこそ、関わりしろが多いプロジェクトでもあります。そこで、カギとなるのが、地域おこし遠隔隊の協力というわけです。

説明会後半の参加者とのグループセッションでは、新しいアイディアややってみたいことなど、さまざま声が聞かれました。例えば、、、

・大学で山椒の研究をしていて、養父市も山椒が特産なので山椒を育てたりできないかな
・昼は交流の場、夜は飲み屋(オンライン上で遠隔隊等とお話しできる)
・SNSをフル活用。情報発信なら遠隔でも関われそう
・実家じゃないけど、たばこ屋さんに行くとまるで田舎に帰ってきたかのような実家感を醸し出す

他にも専門的な意見からユニークな意見まで、説明会の時間だけでももう何かが始まってしまいそうなほど、熱量が高まった1時間半。参加者は、「自分のふるさと以外に、思い入れのある地域をつくりたい」「たばこ屋の看板を初めてみたときに魅了され、再生プロジェクトに興味を持った」「遠隔でも地域に関わりたい」など動機はさまざまでしたが、参加者との距離が縮まる瞬間に、ワクワクする時間をみんなで共有することができました。
この説明会を皮切りに、共感してくれた地域おこし遠隔隊のメンバーの強みを存分に生かしながら、ここからいよいよプロジェクトが進み始めます!今後の旧小林たばこ屋さん再生プロジェクトの動きにぜひご注目ください。

今後の情報は、下記より発信される予定です。ぜひSNSをフォローの上お見逃しなく!

<関連SNS>
コミュニティデザインラボFacebook
明るい一揆 Instagram
*「明るい一揆」とは、NPO法人但馬を結んで育つ会が、兵庫県但馬区域の明るい未来のために人口減少や過疎化といった地域課題に立ち向かうプロジェクトです。

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