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vol. 110

陽だまりのようにあたたかい「ひる学校」開校

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三股町では、2023年の夏に謎の「よる学校」がスタートし、すでにたくさんの人が通っていますが、実はこの秋「ひる学校」も開校しました!
ひる学校が開校したのは2023年10月。三股町初のフリースクールとして、早くも15名のこどもたちが楽しく毎日学んでいます。
今回は、そんなできたてほやほやの、あったか〜いひる学校の様子を覗いてきました!

きっかけはお母さんたちのSOS

ひる学校の運営団体は、「こども未来応援団体 タテヨコナナメ」が実施しています。タテヨコナナメは、学校に行けずに困っている三股町内外の親子を応援し、いろんな角度からこどもたちに関わる団体です。
三股町でも森の子学習塾をはじめ、こどもたちの学習支援等に関わってくれていますが、「もっとこどもたちの居場所を充実させていきたい」という想いがスタッフのみなさんにはあったそう。

そんな中、2022年の秋頃にあるお母さんから「こどもが日中学校に行けていなくて困っている。昼間は仕事に行かないと生活が成り立たないので、こどもだけを家に置いて留守番させているが、一人になるとこどもの不安が強くなり、連絡が鳴り止まない。なんとかならないだろうか…」という相談を受けたのだそう。
その時に、「絶対になんとかしないと」という思いに駆られ、さらには、よる学校に参加していた不登校の子をもつお母さんたちから「昼の居場所がほしい」との多数の声を聞いたことで、子どもたちの昼間の居場所の必要性が確信に変わったと話してくれました。

最初の相談を受けてから約1年をかけ、たくさんのフリースクールの視察。どんな形だったら実現できるのか、タテヨコナナメのスタッフをはじめ、地域の方々と何度も何度も話し合ったと言います。

▲ひる学校説明会の様子

こうして、たくさんの人の想いや協力が重なり開校したひる学校。
9月25日(月)に行われた、ひる学校説明会には、保護者や子どもたち含め約40名もの方が参加されたとのこと。それだけ多くの人が、昼間の子どもたちの居場所を必要としていたことがよくわかります。

「たとえどんなに辛い環境に置かれていても、誰も取り残さない、こどもたちが心から安心して、安全に過ごせ、こどもたちをありのままに受け止められる陽だまりのようなあたたかな居場所をつくっていきたい。そして、もしつまづいても、そこからまたいつでもやり直せると思える、あたたかくやさしい居場所を地域の方々と手を取り合って、こどもたちの健やかな成長を共に見守り育んでいきたい」

そんな願いがひる学校には込められています。

こどもたちは未来の宝。自由で豊かな学びの場を

10月2日(月)、ついにスタートしたしたひる学校。登校場所は、上米満児童館です。
朝来たら、その日することをみんなで決めていくことから1日が始まります。午後は、自分の好きなことや得意なこと、したいことを深めていく時間です。

ひる学校では、頭を使う勉強だけでなく、さまざまな体験活動を通して、好奇心や気づく力、コミュニケーションなど、非認知能力(成績では測れない力)を育んでいくのが特徴。ひかりの森こども園の屋敷園長先生や宮崎大学教育学部の竹内元准教授の力も借りながら、一人ひとりの「やってみたい」「知りたい」という気持ちをとても大切にカリキュラムが組まれています。

11月のある日、ひる学校に行ってみると、植木公園に行こうとみんなで決めて、朝から思いっきり体を動かしていました。

こちらは、ひる学校現場スタッフの玉木 昌子さんこと、通称たまちゃん。ひる学校では、大人のスタッフも子どもたちもお互いニックネームで呼び合っています。

▲ひる学校現場スタッフの玉木 昌子さん

元々、小学校の先生を長年勤めていたというたまちゃん。退職後は、自身で寺子屋のような小さな学び舎を運営し、ひる学校やよる学校にも関わってくれています。
「ひる学校の話を聞いたのは、2023年の6月頃だったかな。私自身の活動もひる学校に通じるものがあったので、すぐに協力したいと思いました。今来ている子ども達は、小学生から中学生までの子たち。みんなごちゃ混ぜの多世代交流型で学んでいます。最初の頃は緊張もあって、大人がこれはどう?と提案しながら活動を一緒に考えていましたが、最近は子どもたちからも『やりたい』という声が聞かれるようになりましたね」

そんなたまちゃんの話を聞いていると、「お腹すいたー!」と、まだ10時半なのにお弁当をチラリと拝見する男の子が(笑)食べたい気持ちをグッと堪え、なんとか早弁は回避されました。

▲スタッフは常時2名以上の体制で子どもたちを見守ります

裸足になって走り回ったり、公園の遊具で遊んだり、公園に生えていたホトケノザをたくさん取ってきて蜜を吸ったり。ボールを使った遊びも自分たちでルールを決めて、自由に過ごす様子が印象的でした。
中学生たちは、「最初は少し緊張したけど、慣れてきました」「楽しい!」と話して聞かせてくれ、リラックスした様子。

ひる学校を主催するタテヨコナナメのスタッフは、「ひる学校は、ボランティアや地域のみなさんの真心で成り立っている場所。保護者の方からも、我が子が生き生きと毎日通う姿を見て嬉しいという声も聞かれています。ひる学校にずっと通ってもいいし、学校に行きたいときは行ってもいい。その子の意思でどっちも選択できるといいなと思います。子どもたちを真ん中にしながら、主体性や学びたい意欲を自然に育むようなあたたかい場所を目指しています」と語ってくれました。

ひる学校の定員は20名。枠が少なくなってきていますが、現在も受付中です。また、ボランティアも随時募集しています。
日々の子ども達の様子やスタッフの想いが伝わるひる学校Instagramは要チェックですよ!
興味のある方は、ぜひ下記よりお問い合わせください。

<ひる学校詳細>
定員:20名
時間:10時〜15時
対象:小学1年生〜高校3年生(18歳まで)
費用:月15500円(年会費20000円)
問合せ:ひる学校Instagramのダイレクトメッセージ / 三股町社会福祉協議会(0986-52-1246)

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