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vol. 138

現状維持じゃつまらない。好奇心のその先へ

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コミュラボ

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地球人BASEのスタッフでもあり、日本語教師として活動している向江 佐和(むかえ さわ)さん。最近では、新しい取り組みとして、今年5月からグローカルハウスWAJIMAにて「ブックカフェ(仮)」を始めています。今回は、そんな向江さんに自身の活動のことやブックカフェ(仮)について伺いました。

心が赴くままに、止まらない好奇心

千葉県から旦那さんの仕事の都合で宮崎に移住してきた向江さん。子どもの頃から「言葉」に興味があり、英語が得意だったことから、英語を学ぶ大学へ進学されました。

「言語や人と話すことが大好きで進学したんですが、あるきっかけがあって福祉に興味を持つようになりました。それから、ヘルパーの勉強をしてデイサービスや特別養護老人ホームで働いていましたね。とても楽しかったんですが、夫の仕事の関係で仕事を辞めて宮崎に来ることになりました」

宮崎に移住後も、介護の仕事に戻るか迷っていたという向江さんですが、ご自身でも豪語するほど、好奇心旺盛な一面のある持ち主。子育てをしながら「何か面白いことないかなぁ」と、いろんなところへ出かけたり、参加したりしていたのだとか。そんな時に出会ったのが、日本語教師とコミュラボでした。

▲セカチカの勉強会で講演する向江さん

「下の子どもが幼稚園生のとき、アフガニスタン人の子が同じ幼稚園にいたんですよ。お母さんが全く日本語の話せない人で、なんとかコミュニケーションを取りたいと思って、頼まれてもいないのに公園に行って話しかけたりしてたんです(笑)児童館で自分なりに日本語を教えていたものの、うまく教えられず…そんな時、宮崎大学で日本語教師養成プログラムが始まったという新聞記事を見つけて、これだ!!と思って今の仕事に至ります」

「私、自分でもときどき抑えられなくなるくらい好奇心がすごいんです。子どもの頃は、失敗して傷つくこともあったり。でもそうやってアンテナを張っていたからこそ、コミュラボにも出会ったんだと思います

面白いことないかなと模索していた時期から、コミュラボの活動やパンフレットを図書館などで目にしていたという向江さん。地球人BASEがボランティアを募集していた時期にコミュラボと出会い、今や地球人BASEだけでなく、セカチカの活動でも活躍されています。

ブックカフェ(仮)への想い

そんな中、新たな活動として、今年5月にスタートした「ブックカフェ(仮)」。どういった経緯で始めることになったのでしょうか。

「理由は二つあって。一つ目は、このWAJIMAって本がたくさんあるんですが、日本語の問題集もたくさんあるんです。ずっともったいないなぁと思っていて。私がここに来て、ときどき授業準備とかするので、日本語の勉強に限らず、自習みたいに勉強したい人や、ただお茶飲みながら話したい人が来られるようにしてみようって始めました。カフェの名前はまだぼんやりしていて仮なんですけど、何かいい名前ないですかね笑」

と話す向江さん。そして、カフェを始めた二つ目の理由は、「私はここにいるよと言える場を作りたかった」ということでした。

「日本語の授業って、例えばオンラインで10回のコースが終わると、その後のサポート体制がなかったりするんですね。ブチっと切れてしまうし、お金を出す余裕がない生徒さんもいたりする。そんなとき、勉強は教えられなくても、私はここにいるから話しにおいでって言える場所を作りたかったんです。日本人でも外国人でも、ふらっと来てくれたらとても嬉しいですね

筆者が取材に行ったときも、心地いい音楽とコーヒーや自家製シソジュースで迎えてくれた向江さん。向江さんがいるWAJIMAの空気感はまたいつもと少し違って、なんだかパッと明るい、ほっとするような気持ちになるようでした。

それから、話は海外の話に。いろんな国に旅をして、いろんな国の人の文化を知っている向江さんは、外国のいいなと思ったところについて、みんなたくさんしゃべることだと話します。

「例えば、ベトナムだったら、カフェみたいなところで朝ごはんを外でみんなで食べて、知らない人とでもわーっとしゃべるんです。インドネシアも同じように、他愛もないことを見ず知らずの人とでも話すんですよね。そういうの見ると、日本ももっと気軽にしゃべれるといいのになと思うことがあって。海外の人は、どんな感情も素直に表現するけど、日本人は我慢する傾向にあるし、知らない人と話しちゃいけない空気感がありますよね。それって孤独にもつながっていそうだし、本当はみんなきっともっと話したいんじゃないかなって感じています」

向江さんの言葉の通り、この取材中も取材ということを忘れて、お互いのことをバーっと話していた私たち。向江さんとお話ししながら、思ったことをパッと言葉にできるって楽しいなということを改めて感じつつ、もしかしたら知らない人だから話せることもあるかもしれないし、考えが違ってもそこからまた面白いコミュニケーションが生まれるのかもしれませんね。

チャレンジを楽しむ大人を子どもたちにも見せたい

そんな好奇心旺盛で、さまざまなコミュラボの活動に参加してくださっている向江さんに、三股町や活動についてどのように感じているのか伺ってみました。

現状維持じゃなく、なんかこう変えようとしてる雰囲気が好きなのかもしれません。地方に行くほど保守的な雰囲気があると思うんですが、コミュラボってこんなに面白い人が集まっていて、いろんな新しいことが起きている。それって一人でできることではないから、奇跡的なことだと感じるんです。何よりまちを面白くしようとしているこの様子を子どもたちに見せたいなって思うんですよね。私自身も、マイナスな面ばかり見て不平不満を言いながら歳を重ねたくないなと思うし、宮崎が好きなので、私もこのまちで面白いことをしたいなって思っています。だから、まずはカフェにいろんな人に来てほしいな」

そう語る向江さんはとても楽しそうな様子。まだまだ始まったばかりのブックカフェ(仮)ですが、向江さんがいるこの場所から、また面白い人やことが増えていくといいなと思うとわくわくします。勉強や読書はもちろん、海外や旅のこと、日本語教師のこと、ちょっと話したいなという時はぜひブックカフェ(仮)に遊びに行ってみてくださいね!

好奇心からまた新しい何かが始まるかもしれません。

<ブックカフェ>
オープン:毎週金曜日13:00~16:00
場所:グローカルハウス WAJIMA
(〒889-1901 宮崎県北諸県郡三股町樺山3044番地1)
インスタグラム:https://www.instagram.com/wajima_glocalhouse/?hl=ja

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