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vol. 083

んだもした~ん!なんごっけしげしVol.10

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蔵元 茂志

ライター

ちょっと時間が空いてしまったけど、盲導犬との共同訓練の続きです!
共同訓練と言ってもいろいろで、歩道を歩くことに始まり、横断歩道、階段、人込み……。バスや電車、エレベーターはもちろん、エスカレーターにも乗る。「基礎訓練」という、お出かけ前に毎日やる“仕事スイッチ”を入れるための訓練もある。
犬の身の回りのお世話もすべてユーザーのお仕事。餌やり、トイレ、シャンプーやブラッシング、ワクチン接種などの健康管理も学ぶ。

昼間は主に歩く訓練。自動車の教習所のように、いろんな難易度のコースがあって、それを順番にクリアしていく。
例えば歩道のない道路。端に犬を寄せて歩かないと本当に車と接触しそうになる。
毎晩のように「いくつ目の交差点を、どっちに曲がって……」みたいに、地図を触って翌日歩くコースの予習をする。
周りの景色で今いるところを確認することができない茂志たちにとってはこの「いくつ目の交差点」というのが大事な目印になるのだ。

そしてコースが一つ終わるたびにあるのが小テスト。
練習したコースを盲導犬と二人だけでクリアして戻ってくるんだけど、その時はどんなに迷子になっても、危険な目に遭っても、助けてくれる訓練士さんはいない。
いや、茂志も「ほんとはどこかに隠れて見てるんでしょ?」って思ってたけど、どうやら本当にいない。なので迷路に迷い込んで抜け出せなくなったり、間違って赤信号で渡ってしまったり。
ちなみに信号の色は盲導犬には分からない。なので、茂志が車の音を聞いて判断するんだけど……。

だから例えば三股のように都会に比べて交通量が少ないのも、それはそれで困りものなのだ。
そして訓練の最後は、集大成となる本気のテスト。
しかもその舞台は、あの銀座のメインストリート!
車も人も多い。もちろん通りを渡ったりもする。

さらに試練は続く。
テストに合格すると晴れてご卒業となるんだけど、センターのある東京から三股の自宅まで、電車と飛行機を乗り継いで“一人と一匹”だけで帰る。
ここで誰かに迎えに来てもらってはいけない規則。
通りすがりの人や駅員さんなどに助けてもらってなんとか宮崎空港まではたどり着く。ここまで来ればあとは……ね笑。
でも、こういう成功体験が何よりの自信になって、娑婆に出てからも物怖じせずに、どこにでも一人と一匹だけで行けるようになるのだ。

現在3頭目。パートナーになって8年半を過ぎ、彼女は11歳半という高齢になった(2023年5月時点)。
そろそろリタイア間近。残された時間を大切にしたい。

(完)

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