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vol. 080

続けるコツはがんばらない。目の前のことを一つずつ

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笑顔の素敵なこちらの女性。三股町長田地区の尾山 明子(おやま めいこ)さん。
2015年から長田地区の民生委員を務め、長田地区サロンやどうぞ便など地域のさまざまな活動に協力してくださっています。
カッパ伝説が残る長田峡が有名な長田地区。サロン活動も活発ということで、尾山さんに会いに行ってきました!

▲長田地区民生委員の尾山 明子さん

地域を見守り8年目。喜ぶ顔が私の喜び

尾山さんは三股町出身。子どもの時はおとなしい子どもだったと話しますが、お話を伺うと、地域活動の他にも水彩画に舞踊にと多くの一面を持っておられる持ち主です。
「夫と出会うまでは普通に会社に勤め、結婚してからは専業主婦でした。私が民生委員になるとは思っていなかったけど、前任の方が辞めることになって。当時、夫が公民館長で後任がおらず困っていたので、じゃあ私がということで、2015年の11月から民生委員の役を引き受けることにしたんです

軽い気持ちで引き受けたと言う尾山さんですが、今年でなんと民生委員歴8年目!
しかも、それまで長田地区になかったサロンを、就任3ヶ月で立ち上げたというから驚きです。
「人と話すのは苦手だったのよ〜」と話す姿とは裏腹に、地域の人たちの得意を活かして、サロンを運営されています。
そのサロンの名前は「きゃんせ轟木」と名付けられ、毎月さまざまな講師を迎え開催。「きやんせ」とは、この辺りの言葉で「おいで」という意味があるそうで、ウェルカムな感じがして楽しそうです。
次回は5月の下旬に開催されるとのことなので、その様子はまたお届けしたいと思います!

さらに尾山さんは、民生委員就任後、三股町の「みまたん宅食どうぞ便」のボランティアも長年務めてくださっています。
みまたんどうぞ便」は、生活がちょっと大変…という三股町在住の18歳以下の子どもがいる家庭に、定期的に無料で食材をお届けするもの。当初は20世帯ほどだったものが、現在では三股町ないで80世帯にまで増えています。
「最初は、社協から声がかかって始めました。必要な世帯に月1回、たくさんの食材を届けています。大したことはやってないんだけど、喜んでくれるとやっぱりこっちも嬉しいですよね
と話す尾山さん。こういった活動も、民生委員さんをはじめとした、地域のことをよく知っている皆さんがいるから成り立っていることを実感します。

▲どうぞ便を配達する様子(左が尾山さん)

肩の力を抜いているからこその安心感

取材から約2週間後の4月23日(日)には、長田地区で「長田峡農産物販売所」が開かれるから遊びにおいでと声をかけていただき、遊びに行ってみました。こちらは、10年ほど前に地域に商店がなく、立ち寄ってくれる人を増やしたいと、当時公民館長だった尾山さんの旦那さんを始め、地区のみなさんでスタートしたと言います。
尾山さんには、「朝9時からだけど、もうその頃にはないかもね」と言われていたのですが、まさかそんなわけないと思い、私は9時半頃に到着。すると、もうピークを超え、人気のおこわは売り切れ!甘酒も残り2つしかないという売り切れ続出の盛況ぶりでした!

ここ最近は、新型コロナウイルス感染症の影響により、実施できなかったようですが、ようやく再開されたとのこと。居合わせた方に、「尾山さんの紹介で来た」と話すと、みなさん「あ〜尾山さんね〜」と快く受け入れてくれ、尾山さんを知らない人はいないほどでした。
地域の方に尾山さんについて聞いてみると、「いつもニコニコほんわか」「初めて長田の活動に参加した時も、声をかけてするっと話の中に入れてくれる人」とみなさんから慕われていることがとても伝わってきました。

尾山さんがこういった活動を8年続けるモチベーションはどこにあるのでしょうか?
「一番最初は、夫が公民館町を16年間一生懸命続けている姿を見てきたのがきっかけだったけど、やってみたらたくさんの人と知り合いになれてね。普通に過ごしていると繋がれない人たちと繋がりができるのがとても楽しいよ。人と関わる中では、他人に対して絶対に怒らないという自分の信念は持っています。無理強いはさせないことも大切にしている。大変なことはないかってよく聞かれるけど、そんなに感じないのよ。田舎だから、地域の人もみんな顔馴染みだしね。ただ書類だけは本当に苦手。でも、それも悩まないところが私のいいところ(笑)」
苦手なこともあっけらかんと笑顔で話してくださるチャーミングな尾山さん。今は、朝一番の畑仕事が気分転換になっていると言います。

▲気分転換になっているという庭の畑。家の裏にも畑が広がっていました。

取材の中で尾山さんは、「のんきな性格だから力を込めすぎずやっている」と何度もおっしゃっていましたが、どうしても頑張り過ぎてしまう中、力を抜くということも大切なスキルです。
いい意味で肩の力が抜け、ゆったりとした雰囲気だからこそ、周りのみなさんも安心して近くにいられるのではないでしょうか。今回、旦那様にお会いすることはできませんでしたが、お話を伺う中でご夫婦で得意不得意を補い合ったり、畑仕事で気分転換を図ったりし、ご自身でバランスをとっておられるのが印象的でした。

最後に今後の活動について伺ってみました。
「私ももうすぐ80歳。そろそろ次の世代にということも考えないといけないけど、他の地域と同じで、やっぱり担い手不足の問題はありますよね。大変なイメージもあるのかもしれないけど、田舎だからこそのやりやすさはあると思いますよ。私自身は、楽しんでいますが、自分の力以上のことはできないので、今まで通りですね。ぼちぼちやれることをやれるほどやっていきます」

活動的に毎日過ごされているからか、全く80歳を迎えるように見えない尾山さん!今度は、尾山さんの舞踊や水彩画も拝見してみたいものです。
次は、長田地区のサロン「きゃんせ轟木」でお会いできることを楽しみにしています!
お話を聞かせていただき、ありがとうございました!

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