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vol. 086

生涯スポーツの真髄「ペタンク」目指すは世界大会

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「1度体験したらもう病みつきになる!」
みんながそう口を揃えて熱中しているのが「ペタンク」。
陸上のカーリングと称されるペタンクは、フランス発祥のニュースポーツです。三股町では、2002年に三股町ペタンク協会が発足し、2003年、2018年には、ねんりんピック全国大会の出場経験があるという実力派チーム。そして、なんと今年も10月に愛媛県で開催される全国大会に出場決定!!
しかも、もしオリンピックの種目に選ばれたらフランスに行ける!!!と、目をキラキラさせて語る「三股町ペタンク協会」のみなさんに会いに行ってきました!

ペタンクとは?

そもそもペタンクって聞いたことがありますか?
ペタンクは、目標球(ビュット)に鉄球を投げ合い、相手チームより目標球に近づけることで得点を競うというゲームです。
鉄球の重さは、650g〜800gで片手で握れるほどの大きさ。みなさん少しずつデザインの違うマイボールを持っています。やり方は、鉄球を投げるだけなので、子どもから高齢者まで年齢関係なく、対等に競技ができるのがペタンクの魅力。
日本ではまだまだ知らない人が多いかもしれませんが、世界的には人気のスポーツなんです。

協会発足21年目。もともと畑だったグラウンドから開拓

三股町ペタンク協会の活動は、週3回(火・水・木)の午前中。三股町7地区分館にて実施されています。「このペタンク場は、畑や空き地だったところを自分たちで開拓したんだよ」と語るのは、前会長の平部さん。平部さん(87歳)は、この協会を立ち上げた発起人の一人です。

▲豪快な笑い声にこちらまで元気をもらえるペタンク歴20年のベテラン・平部さん

「きっかけは、仕事を退職して趣味を探していたとき、県の生涯学習でペタンクを知って。最初は3人でこの協会を立ち上げたんだよ。20年も続けていれば、他界したメンバーもいるけど、当時から今も来てくれている90歳を超えたメンバーもいるよ。はじめ、このグラウンドは唐芋畑やったと。ペタンクを始めるために、ブルトーザーを借りてきて土を入れて、整備するところからした。全部記録が残っちょる
と誇らしげに歴史を話してくださいました。

▲「三股町ペタンク協会の歩み」のしおり。ブルトーザーに乗る平部さん
▲今のグラウンドはこんなにきれいに

「もう俺は引退した」と笑いながら平部さんは話しますが、今もペタンクを心から楽しむ姿はまだまだ現役。現在は、協会で一番若い北野さん(77歳)に会長を引き継ぎ、協会をまとめてもらっているとのこと。

▲現会長のスポーツマン北野さん

「私は71歳でペタンクを始めました。70歳で仕事を辞めた後、グラウンドゴルフをしていて。それからペタンク見にこんね?って誘われて、そのまま面白くて始めました。今は、グラウンドゴルフもやってるので、それが終わってこのペタンクに参加しています。メンバーには、グラウンドゴルフ出身者も多いですよ。次の愛媛県である全国大会は、このメンバーの中から私含めて4人が選手として出場します。全国から72チームが集まるので、出るからにはいい結果を残したい
と意気込みを語ってくださいました。

平均年齢84歳とは思えぬパワフルさ

練習では、毎回チームをくじ引きをし、1チーム3〜4人に分かれて試合をします。
コミュラボスタッフもチームに混ぜてもらい、ペタンク初体験。実際に体験してみると、鉄球を投げるだけとは言え、意外と奥が深い。まず、700gの鉄球をずっと持っているだけでも、結構な腕の筋トレになる。
そして、投げ方は肩、腕、太ももがまっすぐになるようにとアドバイスをもらいましたが、それがなかなか難しい…

▲なんとも美しいまっすぐなフォーム

さらに、グラウンドの土の状態でバウンドした時の鉄球の飛距離が変わるため、他の選手が投げた鉄球の落ちた場所とその軌跡を見て、微調整するのだとか。
本当にカーリングのように、同じチームの仲間が「この間を縫ってこの球を弾いて!」とか「この場所に球をバウンドさせて」とか的確なアドバイスをしてくれます。
私もいいところまで球を寄せることができたのですが、次の瞬間にはもう相手の球に遠くに弾かれていました…笑
この球と球が弾き合う「キーン」という高く澄んだ音もいい音なので、ペタンク未経験の人にもぜひ体験してみてほしい!

▲手前のグラウンドに残っている跡が鉄球がバウンドした場所。土の柔らかさで鉄球を落とす位置を変える。

1試合が30分ほどかかるのですが、試合に負けた方がグラウンド整備をするルールだったり、休憩時間の仲間同士の掛け合いにクスッと笑える場面もあり、みなさんが口を揃えて「ここに来るのが楽しみ」という理由は、この雰囲気も大きな理由の一つなのかもしれません。

▲試合に負け、率先してグラウンド整備をするメンバーの姿。それすら楽しそう。

休憩時間にみなさんにお話を伺うと、「ペタンクは楽しすぎてやめられんね!」「生涯スポーツの行き着くところはペタンクしかない!」という名言まで聞かれるほどのペタンク愛に溢れていました。
私も実際にやってみたことで、自分の健康のためだけではなく、回を重ねるごとに感覚がわかっていく面白さとうまくいった時の爽快感、仲間と気持ちを分かち合える嬉しさなどを実感し、簡単だけれども奥深い魅力的なスポーツなんだなと感じました。

▲休憩中の様子。持ち寄ったおやつや野菜を食べたりしながら話は尽きない。

10月に全国大会を控えるチームですが、その前に三股町総合スポーツ祭にてペタンク競技大会が開催されるとのこと。日時は、2023年7月4日(火)。場所は同じく7地区分館にて開催されます。
ぜひ応援に来てみてはいかがでしょうか?
やってみたくなったら、次はあなたがペタンクの扉を開く番です。



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