CDLマガジン
MAGAZINE
vol. 051
date
2022.04.26
Writer
コミュラボ
Category
profile
コミュラボ
ライター
4月20日に、厚生労働省 社会・援護局 地域福祉課 地域共生社会推進室 から3名の職員さんが、意見交換を兼ねたヒアリングのため、ここ三股町に来ました。
本記事では、その際行われた視察・意見交換の様子を、コミュラボスタッフの吉田がお伝えしたいと思います!よろしくお願いします。おっす!
まず、社協にて、三股町役場社会福祉課、重層的支援体制整備事業(※)の担当者から、三股町における重層の事業枠組みについての説明があったあと、「寿司屋スタイル(こちらから一方的に説明するのではなく、相手に気になること、聞いてみたいことを質問してもらい、その質問に対して全力で回答するプレゼンスタイル。コミュラボでは今後多用される予定である)」でのディスカッションを行いました。
寿司屋スタイルでの質問(注文?)は、いきなり「オンラインのプレゼンでは凄く上手くまとまっているけど・・・本当のところどうなのかな?と思い三股町まで来ました・・・」と厚生労働省の石川さんの160km級の直球が飛んでくる幕開けとなりましたが、一つひとつの質問に丁寧に答えながらディスカッションを深めました。いくつもの見せ場がありましたが、ハイライトは松本山雅FCの大ファンである石川さんのサッカートークだったと思います。
その後、コメーキングスペースコメのある地域(上米地区)に繰り出していきました。
すると、なんと、地域の子どもたちの登下校と重なる奇跡のタイミング。(笑)
写真には写りこんでいませんが、後ろには、民家の縁側でまったり世間話をするおじいちゃんおばあちゃんがいました(笑)。厚生労働省職員、社協職員、役場職員、デザイナー、地域のプレイヤー、小学生、おじいちゃんおばあちゃんが一同に居合わせるかなり面白い状況(光景)になっていました。
地域での視察では、まず①地域の活動拠点見学、その後②地域のプレイヤーのみなさんたちとの意見交換会を行いました。
コメーキングスペースコメ、最先端の保育を行っている「ひかりの森こども園」の各施設、毎月第一・第三土曜日に地域食堂が行われている光明寺本堂、一般就労になじめない人たちの就労の場KIMAMA PRODUCTS(キママプロダクツ)の工房、外国人と地域の人たちの交流拠点Glocal Guest House WAJIMAを見て回りました(実はこの全ての施設が上米地区の一エリアに集中しています。全部歩いて回っても10分かからないくらいです。)
見学後は、コメーキングスペースコメにて、コミュラボスタッフがファシリテーターとして入り、地域のプレーヤーの皆さんと厚生労働省の職員さんとで意見交換を行いました。
全部で3つのグループに分かれ、各テーブルに一人ずつ、厚生労働省の職員さんがつき、意見交換会スタートです!制限時間ありの3ラウンド制。
1ラウンドごとに厚生労働省の職員さんだけ、隣のテーブルに移動してもらうことで、地域のプレーヤーの皆さん全員が3人の厚労省職員さん全員とお話することができました。
グループ1は、ひかりの森こども園の園長さん、フードロスランナーの津崎さん、みまたん宅食どうぞ便の立役者である元社協職員さんという重鎮ぞろい。
グループ2は、役場の大ベテランさんと新人職員、介護施設の理学療法士、一般社団法人地球人BASEの代表という多様なメンバー構成。
グループ3は、タテヨコナナメの代表、つながる味噌づくりの代表、コメーキングスペースコメのスタッフという子ども&高齢者の課題に取り組むメンバーが集まりました。
吉田は、グループ2に参加したので、グループ2の模様を一部お届けしたいと思います。
介護施設の機能訓練指導員として働く堀田さん。フットサルで国際交流を行うMFAの活動に参加しています。
「三股町に移住するまでは、外国の人と交流する機会はほとんどなくて、自分とは縁遠い存在だったけど、一緒にフットサルをしたら、すぐ友達ができました。こっち(三股)に来てから、2人目の友達は、外国人でした。」と、語ってくれました。
「外国人と交流しよう」ではなく、日常生活の動線や趣味の活動の中に外国人と日本人が交流する接点をつくるというデザインだと、より多くの人がも入ってきやすいよねという話をしました。
すると、厚生労働省の高久さんから、
4月から新社会人になる若者は、スポーツができる場所を欲しているから、「気軽にスポーツがしたい若者」×「日本人と交流したいけどなかなか日本人との接点がない外国の人たち」というデザインはいいかも!という意見が出てきました。MFAの活動は、動線のデザインの仕方次第では更に広がりそうです。
役場の大ベテランさんは、コーディネーターという役割の重要性や民間と行政の連携のあり方について熱弁。民間が答えが見えていない領域の課題解決にチャレンジして事業の効果を検証することの意義について話してくれました。
約1時間の各テーブル、各ラウンドでの充実した意見交換を終えたあと、最後は、Glocal Guest House WAJIMAにて、内部での振り返りを行いました。
厚生労働省の中間さんからは、「胸がいっぱいです」との言葉をいただきました。地域の人たちの地域活動の取り組みの頑張りをきちんと伝えられたようでよかったです。
この場では、
事業設計において、「地縁」で集まるリソースと「テーマ」で集まるリソースをバランスよくかけ合わせることで、地に足をつけつつ(生活課題に根差しつつ)、多様なプレーヤー自身も楽しむことができるような、すごい活動を生み出すことができるのではないかということをお伝えさせていただきました。
どちらがいいという話ではなく、いかにうまくぞれぞれの人、活動、を共存させて、最大限のインパクトを生み出せるか、解像度はまだまだですが、この「地縁」と「テーマ」の掛け算はすごく可能性があるんじゃないかと思っています。
今回の視察受け入れは、お互いにたくさんのパワーやエネルギーをもらえるすごく意味のある半日になりました。
コミュニティデザインラボとしては、今後も地域共生社会の実現に向けて、淡々と地道に地域の課題に寄り添い続けていきたいと思います。
ひと くらし みらいのために
※地域共生社会実現のために設計された事業。「相談支援」「参加支援」「地域づくり」の3つの柱がある。