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vol. 171

コミュラボのウラガワ〜むすびえとのリアル会議〜

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2025年度がスタートし、早1ヶ月が過ぎようとしていますが、みなさんは今年度どんなミッションがありますか?

コミュラボ(三股町社協)は、2022年度 休眠預金事業通常枠「地域の居場所のトータルコーディネート事業-官民協働で暮らしの安心を創造する-」に採択され、今年度で3年目となります。

この事業は、「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、むすびえ)」が休眠預金の資金分配団体となり、3年間を通して、誰もがごきげんに暮らせる地域づくりを実現するものです。つまり、事業としては今年度が節目となる年。

そんな中、4月7日、休眠預金の資金分配団体であるむすびえのみなさんが三股町に来てくださいました。むすびえの方々とは、毎月オンラインで会議を行なっているのですが、リアルでの会議はレア!ということで、今回は様子を少しだけチラ見せします。

どんな事業なの?

休眠預金とは、国民が持っている銀行口座の中で、10年間出し入れのない預金のことです。2018年より、民間公益活動の促進に活用されることになりました。
今回の事業は、そんな休眠預金事業を活用して、資金分配団体であるむすびえのみなさんに伴走してもらいながら、地域の居場所を多角的にコーディネートするものです。三股町で新しい場づくりを行い、地域に居場所が生まれやすくなるような環境を整備しています。

※「休眠預金事業」についての詳細は、2023年6月のマガジンをご覧ください。

むすびえと進める地域の居場所アップデート会議

本事業では、「よる学校」を皮切りに、「居場所の解剖学」や「ごきげんな暮らしの輪郭」など、目に見える形でさまざまなことに取り組んできました。しかし、その裏側では、まだ形になっていないものも動き続けています。

今回、むすびえのみさんは、事業開始して2回目の三股町訪問。たった1日という限られた時間の中で、「NAZO」をはじめとする新たな拠点等を視察したあと、午後は、まだ形になっていないものの一つ「地域アセスメント」に関する会議にご参加いただきました。

△真剣に向き合ってくださるむすびえのみなさん

「地域アセスメント」とは、地域の状態や課題を把握・分析し、 開発・調整を行うことです。本事業では、私たちのミッションの一つとして掲げられています。

事業開始当初は、町内の居場所の種類や数、分布を把握し共有することに視野がとどまっていた私たち。しかし、居場所の解剖学や実践を通して、それだけではなく「居場所」の性質のようなものを分析することが「ごきげんな暮らし」につながるのではないかという認識に変化していきました。

この日の会議では、むすびえから3名、コミュラボから7名、三股町役場から1名のメンバーが参加し、「地域アセスメント」を実施するための項目を整理・吟味していきました。

議論すること4時間。一筋縄ではいかないからこその面白さ

議論したい部分をある程度コミュラボ内で協議していたものの、議論が軌道に乗り始めたのは、開始から約1時間半ほど経ってからのこと。これは、今回だけに限ったことではなく、この「地域アセスメント」の話題になると、毎度全員の視点を合わせることに1時間半くらいかかるのが常です。

それは、「居場所」というものが、個人的で主観的で暫時的なものだからなのでしょうか。この「地域アセスメント」には、雲のように記憶を消し去る妖精がいるのではないかと思うほど。

でも、それぞれの視点や前提を丁寧にすり合わせることで、徐々に議論が活発になり深まっていくのがこの会議の面白いところです。

「居場所の解剖学の第4回のあの事例だと、“暇的な時間”があったら交流が生まれるんじゃないかな?」とか「これって、こんな状態が理想だよねという、神様みたいな視点で地域を俯瞰して見ているのかな?」とか。

「人・場・係の “係” は、個人に紐づいてるから実は調査できないんじゃない?」などなど、後半はだんだんじっとしていられず、最終的には、参加者が立ち上がって議論を交わすほど熱気あふれる会議となりました。

「地域アセスメント」のアセスメントシートが完成すれば、地域の場の情報だけでなく、「居場所」そのものの性質について理解が深まり、誰もが「居場所」につながりやすくなる可能性があります。コミュラボでは、今年度中にこの地域アセスメントシートをテスト使用して分析し、実用化できるまでにブラッシュアップしていくのが目標です。

この日の会議は、4時間強にも及びましたが、むすびえのみなさんの新たな視点からの問いや、丁寧な伴走のおかげで、この日の議論は大きく前進しました。遠いところお越しいただき、本当にありがとうございました!

休眠預金事業のおかげで、「居場所」の哲学や概念が深まり、活動も広がりをもつことができたこの2年間。2025年も、ゆるむことなく居場所のアップデートに向けて邁進していきます!

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