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vol. 146

Youth世代のための新しい拠点「PARK」

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ヨース?

って読んじゃったのは私だけでしょうか。

この英単語は「ユース」と読むらしく、10代〜20代くらいまでの若者世代のことを指す言葉です。
実は先月、そのユース世代のための新たな拠点が三股町に誕生!今回は、そちらをご紹介したいと思います。

仕方ない…じゃ済ませない。全世代のこどもたちに支援を

その新たな拠点の名称は、「PARK.Youth & Books & Desingn(以下、PARK)」です。主に15歳〜20歳くらいまでの若者を対象に、上米公園のすぐ近くの古民家をリノベーションしてつくられました。

オープンしたのは今年8月20日。扉を開けると、剥き出しになったかっこいい筋交いとたくさんの本が並べられた本棚が真っ先に目に飛び込んできます。

屋内は木の温もりが感じられ、ゆとりを持って居られるような落ち着く空間。毎週火・木・金の10時〜18時まで開かれています。

この素敵な場所を運営しているのは、宮崎市のNPO法人ヒミツキチ(以下、ヒミツキチ)。ヒミツキチは、自由な「遊び」を通し、こどもたちの「自ら育つ力」を信じ、安心して過ごせる居場所づくりを行なっています。この日は、理事長の山下 朋子さんにお話を伺うことができました。

山下さんは、自身もコミュニティプレーワーカーであり、プレーパークをはじめ「遊び」を通したこどもたちの支援やそれを広げる活動等を行っておられます。今年3月には、三股町で行った「プレーパーク集会」にもご登壇いただき、感銘を受けた参加者も多いのではないでしょうか。
(*プレーワーカー、プレーパークについては、ヒミツキチHP下部をご参照ください)

「PARK」を立ち上げたきっかけについて、山下さんは次のように語ります。

「私たちは、こどもたちの居場所づくりをしていますが、義務教育を終えたユース世代から相談があった時、話を聴いてあげることしかできないもどかしさをずっと感じていたんです。そして、2020年から新型コロナウイルス感染症が広がり、私たちの生活は一変してしまいました。今はコロナが明けましたが、当時のユース世代は、学校にも行けず、行事も中止、人と話す場もないという状況の中、不登校や学校を中退する学生が増加。それほどコロナの影響を受けているにも関わらず、ユース世代に対する支援は全く行われていませんでした。私たちに何ができるだろうと考え続ける中、彼らの居場所になるような場所をつくりたいと始めたのがこの“PARK”です」

山下さんのお話を伺った後調べてみると、文部科学省が、国公私立大学、短期大学、高等専門学校を対象に2021年度末時点での学生(中退者、休学者など)の就学状況を調査した結果、2021年度の中退者数は5万7,875人。そのうち、コロナ禍を中退理由に挙げた学生は2,738人と、前年度に比べ35.3%増加したと発表したデータがありました。

想像をはるかに超えて、コロナの打撃で身動きが取れなくなっていたユース世代の存在に、胸がキュッと締め付けられるような気持ちに。「ユース世代の支援を諦めていた」と話す山下さんですが、「仕方ない」で済ませず、ずっと考え続けていた山下さんだからこそ、「PARK」という居場所が生まれたのだなと感じます。

ミラクルの連続で完成したPARK

山下さんによると、この「PARK」は、5月のゴールデンウィーク明けから工事を始め、なんと3ヶ月ほどで完成したのだとか。それも物件探しには、あるミラクルがあったのだと言います。

「“PARK”をやろうと思った時、三股でならやれそうだと感じたんです。元々プレーパークの関係で関わっていたコミュラボに相談して、この物件も一緒に見にきてもらいました。そうしたら、なんと見に行った翌日に壊すって言われて(笑)どうする!?ってなったんですが、やるか!という感じで決断しました」

△リノベーション前の家屋

まさにここで「PARK」をやることが決まっていたかのような展開。建物の築年数は、約100年ほどで、リノベーション前は上の画像のように荷物がたくさんある状態だったようです。まず、山下さんたちは、コミュラボスタッフと協力しながら、荷物を運び出すところから行いました。

△大工さんと打ち合わせ中の山下さん

それから急ピッチで工事がスタートし完成したぬくもりのある空間。山下さんも「これはもうミラクルですよ」と笑っている姿が印象的でした。

家でひとり?それならここにおいで

冒頭、「PARK」は、15歳〜20歳くらいまでの世代のためのスペースだと書きましたが、具体的にどんな使い方ができるのでしょうか。

山下さんに伺うと、本を読みに来てもいいし、勉強をしに来てもいいし、自由に使って元気になる場所になってほしいと話します。

たまたまこの日来ていた高校生に話を聞くと、「ちょっと休憩したいなと思って休んでも、誰にも何も言われないのがめっちゃいい。 家だとあれこれ言われるから」と話してくれました。
「PARK」には、ヒミツキチの大人のスタッフもいますが、「先生」みたいな存在ではなく、こどもたちと対話しながらちょうどいい距離感でこどもたちと共に居てくれる存在です。

最後に、山下さんにユースのみなさんへメッセージをいただきました。

「ここに来たからって、誰かと関わらないといけないわけじゃありません。でも、何も話さなくても、誰かが同じ空間にいる感覚みたいなものは、すごく心地がいいと思うんです。お家で一人で勉強するなら、ぜひここに一度来てみてほしいなと思います

「PARK」は、三股町外のユースの方も利用できます。
今日はちょっと一人で居たくないな、誰かと話したいな、家じゃない場所に行きたいななど、どんなきっかけでも大丈夫。ぜひ「PARK」に足を運んでみてくださいね。
ユース世代じゃない方は、三股町にこんな場所ができたよと周りのユースに教えていただけたら嬉しいです。

【PARK.Youth & Books & Desingn】
OPEN:火・木・金(10:00〜18:00)
住所:三股町樺山2989
電話:070-1388-5589
ヒミツキチInstagram:https://www.instagram.com/npo_himitsukichi/?hl=ja

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