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社会問題井戸端会議vol.5「地域に開かれた本のある空間をつくるには」開催レポート

2021.12.21

8月6日に「社会問題井戸端会議vol.5~地域に開かれた本のある空間をつくるには?~」を開催しました。

社会問題井戸端会議とは、

コミュニティデザインラボが積極的につくる3つの場

「出会う場」「魅せる場」「考える場」の中の「考える場」として隔月で開催しているテーマ型地域会議です。

地域で実際に起きている課題に対し、課題の掘り下げ、課題の共有だけで終わらずに、具体的にどんなアクションができるかというところまでをみんなで考える会議です。当事者の他に専門家の方々にも参加してもらいみんなで問題を「知って」「考える」そして「つながる」きっかけをつくります。

第5回目となる今回のテーマは、「地域に開かれた本のある空間をつくるには?」でした。

実は三股町には、本屋が1軒もありません。2016年に昔から地域に密着してきた三股町唯一の街の本屋さん「小牧書店」さんが閉店しました。

今回の会議では、まず、コミュラボスタッフの吉田が「街に本屋(本のある空間)が1軒もない」ということが、どう地域課題、福祉課題と結びつくのかということを中心に、問題提起を行いました。

問題提起では、「本」にまつわる3人の子どもの事例を紹介し、本との出会い、そして本との出会いを通した人との出会いによって、子どもの可能性やコミュニティを広げる「きっかけ」をうみだせるのではないか(逆に街に一軒も本屋がないということは、「きっかけ」が限られているということではないか)ということをお話ししました。

ここで、次にゲストトークに移ります。

一人目のゲストは、都城市立図書館資料チームで認定司書の藤山由香利さんです。

「本に救われた」という経験から、どのように図書館司書の道を選んだのか、その経緯について丁寧にお話ししていただきました。

藤山さんは、入院により長期に学校を休んだことがきっかけで不登校になったそうです。

藤山さんは、親に連れていかれた本屋さんでたまたま目にとまった 「わたしのいもうと」という1冊の絵本との出会いが印象的だったと語ってくれました。

藤山さんにとって、本との出会いだけでなく、本のある空間にいる「人」の存在も、大切だったそうです。

その後、通信制高校から司書の資格がとれる短大に進学、三股町立図書館を経て、現在に至るそうです。

2人目のゲストは、株式会社BRIDGE the gap 代表の青野さんです。

青野さんには、株式会社BRIDGE the gapが受託運営している小林市の地域交流拠点施設TENAMUビル2階の交流スペースを「まちライブラリー」を核にした本のある空間にしようと思った経緯や、その空間が実際にどのように機能しているのかについてお話ししていただきました。

2階のTENAMU交流スペースは、まちライブラリー、子育て支援スペース、フード・ラボ、スペース貸出、イベント開催など様々な人が様々な目的で人が集まれる空間になっています。

筆者自身、足を運んだことがあるのですが、親子や中高生、若いカップルなど思い思いの過ごし方で過ごしていました。

特に興味深かったのは、空間を曖昧なままにすることの面白さについてです。

空間の目的が曖昧であれば、なぜそこにいる/行くのかという目的も曖昧であっていい。

むしろ、空間が曖昧だからこそ、「何が起こるかわからない」、「何か面白いことと出会えるかも」という期待感、わくわく感が人を惹きつけるのではないか。

そのような議論が繰り広げられました。

会場からはたくさんの具体的なアイデアが出ました!

・本のある空間を介して、自分が読みたい人の本と自分が人に読んでほしい本を交換できる「替え本」をやってみてはどうか?

・展示の仕方、魅せ方を工夫して偶然普段自分が手に入れられないような本と出会える仕組みをつくってはどうか?

・自分で本を作ってみることができるような製作スペースのようなものをつくってみてはどうか?

などなど、みんなでたくさんの「わくわく」を広げていきました。

井戸端会議で行われた話し合いは、三股町地域おこし協力隊の清山実咲さんにグラフィックレコーディングで「可視化」していただきました。

即興で行われる可視化に、皆さん驚愕でした。めちゃくちゃすごかったです(語彙力)。

話の広がりとつながりが、楽しくわかりやすくまとめられていました。

「本を読むわけではないけど、とりあえず本があるから行ってみよう」

そんか空間が地域にあったらいかがでしょうか?

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